医薬品の供給が不安定な件

現在、医薬品の供給が非常に不安定になっております。今回はその原因について言われていること、対策などを話していきます。

①製薬会社への業務停止命令

きっかけは、4年前に起きた抗真菌薬に睡眠薬が混入してしまったという件です。その結果、国や都道府県が製薬会社に対して立ち入り検査を行い、複数の製薬会社で問題が見つかりました。業務停止命令や業務改善命令が発令され、医薬品の製造、供給が停止されました。

②コロナにおける需要の増大

追い打ちをかけるようにコロナの影響にて薬剤をさらに多く必要するようになりました。その上、輸入(特にインドや中国)に頼ってきた医薬品の原材料が、コロナ禍の影響も加わり調達が難しくなり、医薬品の製造がさらに困難になっていることも原因です。

個人的には海外での製造のみに頼らず、国内産原料をもとに国内で生産される薬剤の確保をするために、設備投資を含めた試算にて利益を確保可能できる薬価とすべきと考えます。

③各薬局への配分の不均衡

薬局によって、ひと月に購入できる薬剤の種類と量が前月分購入量に比例して配分されるため、同じ薬でも薬局によってあったりなかったりするわけです。(例えば皮膚科近くの薬局では皮膚科薬剤が多く、小児科近くの薬局では小児科の抗生剤がおいてあったりします)

④その他

ジェネリック医薬品の場合、複数のメーカーが製造・販売を行っています。例えば、一つの会社が業務停止や出荷制限を受け、医薬品の供給に影響が出た場合、注文が他社に集中してしまいます。しかし、その会社も製造能力を超えた注文が入った場合、出荷調整を行わざるを得なくなります。それらの要因が現在の薬の供給にも影響を及ぼしています。

 

対策

医師はこのような事情も察しながら処方を行うことになります。安定的な供給は今後もすぐに回復するのは難しいと思います。

そのため、今後はそのような状況も加味しながら、薬を使わない治療法(非薬物療法)もより積極的に取り組むべく、他科や他の職種のとの連携が必要不可欠だと考えております。例えば、食事の内容であったり、在宅看護の内容であったり、生活習慣であったり少なからず皮膚疾患の病因を考え、リスクを減らすことにより処方薬を減らすことが可能になるかもしれません。少しでも前向きに考えていければと思います。

2024/3/2

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