「赤ら顔」について

「赤ら顔」がなぜ治らないのか?

「赤ら顔」で悩まれる方がかなり多くいらっしゃいます。

「昔より頬の赤みが目立つようになった」「ずっと治らない赤ら顔が気になる」
実は、“赤ら顔”という言葉の中には複数の病気や体質が隠れていることがあります。

今回は、皮膚科医の立場から、「赤ら顔」がなかなか治らない理由や、適切な治療法について説明します。


赤ら顔の原因とは?

赤ら顔の原因は一つではありません。大きく分けて、以下のようなものがあります。

① 毛細血管拡張症

皮膚の表面近くの毛細血管が広がって見える状態です。体質的な要因や、寒暖差・飲酒・長年の紫外線ダメージで悪化します。

② 脂漏性皮膚炎

皮脂の多い部分(額・鼻・頬など)に赤みとカサつき・かゆみが出る慢性の炎症です。マラセチア菌の関与が知られています。

③ 酒さ(しゅさ)・酒さ様皮膚炎

中年以降に見られる持続的な赤み、ほてり、時にブツブツや毛細血管の目立ちがある皮膚疾患。ステロイド長期使用で悪化することも。

④ アレルギー・接触皮膚炎

化粧品や花粉、マスク素材などが原因で赤みが続くケースもあります。

⑤ 先天的な赤ら顔

⑥ その他

高血圧、多血症、更年期、赤面症(緊張して赤くなる)、膠原病、肝硬変などがあります。


「治りにくい」ものもあれば「治る」ものもある

可能な治療

赤ら顔で悩む多くの方が、以下のような落とし穴にはまっています。

  • 赤み=乾燥と思って保湿を強化 → 実は脂漏性皮膚炎だった

  • 一時的な赤み止めにステロイドを使い続けて悪化

  • 刺激の強い洗顔やピーリングでバリア機能をさらに破壊

  • 内科的疾患(多血症、高血圧、更年期、肝臓病)が関与していても、可能性がある

症状に合った対処をしないと、赤みが慢性化し、むしろ悪化してしまうこともあります。


皮膚科での治療方法

✔ 原因ごとに治療は異なります

原因 主な治療法
毛細血管拡張症 レーザー治療(Vビームなど)、IPL、生活習慣の見直し
脂漏性皮膚炎 抗真菌薬(ニゾラール等)、マイルドなステロイド
酒さ 内服薬(テトラサイクリン系抗生剤内服など)、保湿、メトロニダゾール外用、レーザー治療(Vビームなど)
接触皮膚炎 アレルゲン除去、外用薬(ステロイドなど)

診察時に肌の状態や生活習慣を伺い、最適な治療をご提案します。


院長より一言

鼻翼横の赤みについて、VBEAMはどうかとの相談を受けることが多いのですが、残念ながらこの部位に関してはVBEAMはほとんど効かない印象があります。一度は薄くなるのですが、また赤くなってきてしまいます。私は一度血管をVBEAMで壊しても、側副血行路が同部位にできやすいからだと考えております。

ただし、赤ら顔は「体質だから仕方ない」とあきらめがちな症状ですが、正しい診断と治療で改善が期待できるケースがあります。
また、漢方などの保険治療とIPLなどの自費診療との組み合わせも、見た目の改善に有効な場合がございます。


📍大森皮膚科クリニックでは

当院では赤ら顔に対して、

  • 保険診療による外用・内服治療

  • Vビームレーザー

  • スキンケア指導・生活アドバイス

など、総合的なアプローチで対応しています。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。


✍ まとめ

  • 赤ら顔の原因は「一つ」ではない

  • 皮膚科治療+スキンケアで改善が見込める場合がある

2025/8/4

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