冬の乾燥肌について

冬になるとでてくる乾燥肌。長い人なら10月から4月くらいまで、特に1月から3月は悪化することもあります。

甘く見ないでしっかり治療をという意味で、整形外科領域では、よく「ひびも立派な骨折」と言う言葉が使われるのですが、皮膚科領域でも同様に「乾燥肌もこじらせば立派な湿疹(皮脂欠乏性湿疹)」になるので、正しいスキンケアは冬場は特に大事です。特に皮膚の場合は長期化し、こじらせると、皮膚というバリアの破壊により様々な合併症を引き起こす可能性もあります。タオルでこすり過ぎない、保湿剤の適切な使用など生活面での工夫も必要です。

よく質問を受けることとして、ヒルドイド®などのヘパリン類似物質には様々なものがあるが保湿効果はどのように違うのか、値段の差など聞かれることがあります。結論から話すと、剤型が違うだけでグラム単位での値段は変わらず、成分も効果もほぼ同じです。細かく話せば、ヒルドイドソフト軟膏®にはサラシミツロウという成分が入っており(ちなみに後発品には入っていないものも存在します)、ヒルドイドローション®にはラノリンという成分がはいっています。ほとんどの場合、その成分により改善を期待できるのですが、まれに合わないこともあり、経過を聞きながら使用していきます。また、ヒルドイド®には水分子と結合しやすい構造式になっており、それにより水分保持機能を高めます。

軽度な場合はそのような保湿剤だけでよいのですが、ひどい場合にはステロイドの外用が必要になることもあります。ご心配な方はぜひお気軽にご相談ください。

                               2019/1/26

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