慢性疾患・専門外来(長引く症状・高度な治療)
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慢性疾患・専門外来(長引く症状・高度な治療)

大森皮膚科クリニックでは、なかなか症状が改善しない、あるいは良くなったり悪くなったりを長期間繰り返す「皮膚の慢性疾患」に対し、医師による診断と持続的な治療管理を行っています。
慢性的な皮膚疾患は、強いかゆみ、痛み、見た目の変化などが日常生活、睡眠の質、精神的なストレスに直結しやすく、QOL(生活の質)を大きく低下させる原因となります。当院では、単にその場限りの症状を抑える(対症療法)だけでなく、疾患の病態や悪化因子に合わせた中長期的な治療計画を立て、患者様ができるだけ快適に、すこやかな肌状態を維持できるよう伴走いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
アトピー性皮膚炎は、激しいかゆみを伴う湿疹が、数か月から数年以上にわたって慢性的に良くなったり悪くなったり(増悪と寛解)を繰り返す、代表的な皮膚の慢性炎症性疾患です。
その主な原因は、遺伝的あるいは環境的な要因によって皮膚の「バリア機能(乾燥や外部の刺激から身を守る力)」が低下しているアトピー素因が関与していると考えられています。バリア機能が低下した皮膚から、ダニ、ホコリ、ハウスダスト、汗、乾燥、精神的ストレスなどの悪化因子が皮膚の免疫反応に作用し、かゆみや赤みを伴う炎症を引き起こします。
最大の問題は、耐えがたいかゆみによって皮膚を強く掻き壊してしまうことです(かゆみと掻破の悪循環ーイッチ・スクラッチ・サイクル)。掻くことで皮膚のバリア機能がさらに破壊され、炎症がより一層激化して湿疹がゴワゴワと硬く厚くなってしまう(苔癬化:たいせんか)という悪循環に陥り、症状が固定化・慢性化していきます。
当院では、日本皮膚科学会のガイドラインを参考に、「薬物療法(炎症を抑える治療)」「スキンケア(バリア機能を補う治療)」「悪化因子の検索・対策」の3つの柱を同時並行で行い、かゆみのない症状が落ち着いた状態を維持することを目指します。
赤みやかゆみが強い急性期には、ステロイド外用薬や免疫調節薬(プロトピック軟膏など)を、症状の強さや部位(顔、体、手足)に合わせて医師が使い分け、まずは速やかに激しい炎症を鎮めます。
さらに当院では、近年登場した新しい非ステロイド系外用薬(コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏など)も必要に応じて使用しています。これらは細胞内の炎症に関わるシグナルを抑え、ステロイド外用薬で注意が必要な副作用に配慮しながら、長期管理にも用いやすい炎症コントロールが期待できます。
見た目の赤みやかゆみが消えたからといって、自己判断で突然お薬を塗るのをやめてしまうと、皮膚に残った「目に見えない炎症」がすぐに再燃してしまいます。
当院では、症状が落ち着いた後も定期的に外用薬を塗る回数を段階的に減らし、徐々に医療用保湿剤(ヒルドイドなど)によるスキンケアやプロトピックなどのタクロリムス製剤へとスムーズに移行していく「プロアクティブ療法」をご提案します。これにより、肌のバリア機能を修復しながら、症状の安定化を目指します。
夜間のかゆみによる睡眠不足やストレスを防ぐため、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)を処方する場合がございます。あわせて、血液検査等によるアレルゲンの特定、IgEやTARCなど、アトピー性皮膚炎の評価に用いる血液検査をご提案させていただくこともございます。
当院では保険診療をベースとしながら、肌に配慮した医療機関専売アルガンオイルや、クレンジング不要で石鹸だけで落とせるミネラルコスメ(ビューティフルスキン)などのセレクトホームケアもあわせてご提案しています。
乾癬は、皮膚が赤く盛り上がる「紅斑(こうはん)」が生じ、その表面に銀白色のフケのようなかさぶた「鱗屑(りんせつ)」が付着し、それがポロポロと剥がれ落ちる慢性の皮膚疾患です。
その原因は完全に解明されてはいませんが、遺伝的な体質(過敏な免疫機能)をベースとして、肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病、精神的ストレス、感染症、薬剤、あるいは衣服による摩擦といった「外部からの物理的刺激」が引き金となり、皮膚の免疫系が過剰に働くことで発症すると考えられています。
通常、肌は細胞が生まれてから剥がれ落ちるまでに約28日(ターンオーバー)かかりますが、乾癬の病変部では免疫の異常によってそのターンオーバーが通常より大幅に早まります。そのため、未成熟な皮膚の角質が次から次へと過剰に作られて積み重なり、銀白色のボロボロとした塊となって剥がれ落ちてしまいます。頭皮、肘、膝、お尻、スネなど、衣服などによる刺激を受けやすい部位に多く発症し、強いかゆみを伴うこともあります。
乾癬は良くなったり悪くなったりを繰り返すため、医師の管理のもとで、お薬の選択と全身の健康管理を丁寧に行うことが重要です。当院では主に以下の保険診療による組み合わせ治療を行います。
乾癬治療の基本となるのは、炎症を抑える「ステロイド外用薬」と、皮膚細胞の過剰な増殖(ターンオーバーの亢進)を抑える「活性型ビタミンD3外用薬」です。
これらを単独で塗るだけでなく、症状に応じて2つを最適に組み合わせた「配合外用薬(マーデュオックス、ドボベットなど)」を処方します。配合薬は1日1回の塗布で使用できるものもあり、毎日のスキンケアの負担を減らし、治療の継続しやすさにも配慮した選択肢です。
外用薬だけではコントロールが難しい広範囲の病変や、頑固な症状に対しては、乾癬の炎症に関わるPDE4という酵素を阻害する内服薬(オテズラ錠)をはじめ、過剰な免疫を抑える免疫抑制薬(シクロスポリンなど)、皮膚の過剰な角化を正常化させるレチノイド(チガソンなど)を、患者様の体質や定期的な血液検査の結果を確認し、副作用に注意しながら処方いたします。
乾癬はメタボリックシンドロームや内臓疾患、さらには関節の痛み(乾癬性関節炎)と深く結びついていることが分かっています。当院では肌の治療だけでなく、肥満の解消、バランスの良い食生活、禁煙、ストレスコントロールのアドバイスを行い、全身の健康状態を整えることで、乾癬の悪化しにくい生活習慣づくりをお手伝いします。
※なお、全身の大部分に広がる最重症例や、特殊な注射薬(生物学的製剤)による高次医療が必要と判断した場合は、大学病院等の高度医療機関とスムーズに連携してご紹介いたします。
ある日突然、頭皮にコインのような丸い形や楕円形の脱毛斑(髪の毛が抜けたスポット)が出現する慢性疾患です。本来は外敵から体を守るべき免疫細胞が、何らかの免疫異常によって毛包を攻撃してしまう「自己免疫疾患」が主な原因と考えられており、精神的ストレスや環境の変化がきっかけとなることもありますが、必ずしもストレスだけが原因ではありません。必要に応じて血液検査を行い、甲状腺疾患や自己免疫疾患などの合併がないか確認する場合がございます。単発のものから、頭部全体、全身の毛に広がるものまで症状は様々です。
治療では、症状の範囲や進行度に応じて、ステロイド外用薬、局所注射、エキシマライトなどの光線療法、内服薬などを検討します。範囲が広い場合や急速に進行する場合は、専門医療機関と連携して治療を行います。
監修者
眞海 芳史(まうみ よしふみ)
大森皮膚科クリニック 院長
資格:皮膚科専門医
東京理科大学理工学部を卒業後、化学メーカー勤務を経て東海大学医学部へ進学。東京労災病院での初期研修後、東京女子医科大学東医療センター皮膚科に入局し、平塚市民病院皮膚科、東京女子医科大学東医療センター皮膚科 助教・病棟医長などを経て、大森皮膚科クリニック院長に就任しました。
大学病院から地域のクリニックまで幅広く皮膚科診療に携わってきた経験をもとに、視診を基本として、必要に応じてダーモスコピーや顕微鏡検査などを行い、正確な診断とわかりやすい説明を心がけています。
当院は日本皮膚科学会の乾癬分子標的薬使用承認施設として登録されており、乾癬の分子標的薬治療にも対応しています。また、一般皮膚科・小児皮膚科から美容皮膚科まで、皮膚に関する幅広いご相談に対応しています。
院内で対応できる治療と、より専門的な検査・治療が必要なケースを適切に見極め、必要に応じて連携する医療機関へご紹介することも大切にしています。
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