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多汗症

多汗症|大森皮膚科クリニック|大森駅徒歩4分の大田区の皮膚科・美容皮膚科

2026年7月07日

多汗症(わき汗・手汗・足汗)

汗をかくことは体温調節のために必要な生理現象ですが、必要以上に汗が出て、日常生活に支障をきたす状態を多汗症といいます。
多汗症は決して珍しい病気ではありません。しかし、「体質だから仕方がない」と考え、治療を受けずに悩んでいる方も少なくありません。
近年、多汗症の治療は大きく進歩し、わき汗や手汗に対して健康保険が適用される塗り薬が登場しています。また、重症のわき汗には、保険診療によるボトックス注射も選択肢となります。
大森皮膚科クリニックでは、患者さんの症状や重症度、生活スタイルに合わせて治療を検討します。
汗のことでお困りの方は、お気軽に皮膚科へご相談ください。


多汗症とは?
多汗症とは、体温調節に必要な範囲を超えて汗が分泌され、日常生活に支障をきたす疾患です。
特に、わきの下、手のひら、足の裏、顔や頭など、体の一部分に大量の汗をかくものを「局所多汗症」といいます。
多汗症は、大きく次の2つに分類されます。
① 原発性多汗症
明らかな原因となる病気がなく、過剰な発汗がみられるものです。
小児期や思春期に発症することも多く、緊張やストレスによって症状が強くなることがあります。ただし、精神的な問題だけで起こる病気ではありません。
② 続発性多汗症
甲状腺機能亢進症、糖尿病、感染症、薬剤の影響など、ほかの病気や原因によって発汗が増えるものです。
全身に大量の汗をかく場合や、突然汗が増えた場合、睡眠中にも著しい発汗がある場合などは、原因となる疾患がないか確認することが重要です。

多汗症の診断
原発性局所多汗症は、明らかな原因がない局所的な過剰発汗が6か月以上続き、次の6項目のうち2項目以上に該当する場合に診断を考えます。
左右対称に汗をかく
汗によって日常生活に支障がある
週に1回以上、大量の汗をかく
25歳未満で症状が始まった
家族にも同じような症状がある
睡眠中には局所的な発汗が止まる
また、日常生活への影響を評価するため、HDSS(多汗症疾患重症度評価尺度)を使用します。


重症度
症状
HDSS 1
発汗は気にならず、日常生活に支障がない
HDSS 2
発汗は我慢できるが、時々日常生活に支障がある
HDSS 3
発汗はほとんど我慢できず、頻繁に日常生活に支障がある
HDSS 4
発汗は我慢できず、常に日常生活に支障がある
HDSS 3〜4は重症と判断され、わきの多汗症では保険適用のボトックス注射を検討する際の重要な基準となります。

多汗症の治療方法
① わき汗の治療(原発性腋窩多汗症)
わきの多汗症には、健康保険が適用される塗り薬があります。
エクロックゲル5%
汗腺に作用する神経伝達物質「アセチルコリン」の働きを抑え、発汗を減少させる外用薬です。
1日1回、専用のアプリケーターを使って両わきに塗布します。
ラピフォートワイプ2.5%
エクロックゲルと同じく、アセチルコリンの作用を抑える外用薬です。
1日1回、薬液を含んだシートで両わきを拭くように使用します。使い切りタイプで、手軽に使用できることが特徴です。
いずれも継続的な使用によって発汗をコントロールする治療であり、症状や使用感などに応じて薬剤を選択します。
なお、目に薬剤が入ると瞳孔が開くなどの症状が生じることがあるため、使用後は適切に手を洗い、目や顔に触れないよう注意が必要です。


② 手汗の治療(原発性手掌多汗症)
アポハイドローション20%
手のひらの多汗症に対して健康保険が適用される外用薬です。
汗腺に作用するアセチルコリンの働きを抑えることで、手のひらの発汗を減少させます。
通常、1日1回、就寝前に両手のひらに塗布し、翌朝に手を洗い流します。
手汗によって勉強や仕事、日常生活に支障がある方にとって、有用な治療の選択肢です。


③ ボトックス注射による治療(重度の原発性腋窩多汗症)
重症のわき汗には、健康保険によるボトックス注射が可能です。
ボトックス注射は、ボツリヌス毒素製剤をわきの皮膚に細かく注射することで、汗腺への神経伝達を抑え、発汗を減少させる治療です。
塗り薬で十分な改善が得られない場合などに検討します。
効果は通常、注射後2〜3日程度で現れ、4〜9か月程度持続するとされています。ただし、効果や持続期間には個人差があります。


保険適用となる方
重度の原発性腋窩多汗症と診断された方
発汗によって日常生活に頻繁、または常に支障がある方
医師が保険診療での治療適応があると判断した方
※ボトックス注射の保険適用は、重度の原発性腋窩多汗症に限られます。手のひらや足の裏へのボトックス注射は保険適用外です。

副作用・注意点
注射時の痛み、内出血、腫れなどが生じる場合があります。また、効果は永久的ではないため、必要に応じて再治療を検討します。


④ その他の治療
塩化アルミニウム外用療法
塩化アルミニウムを含む外用剤を使用し、汗の出口に作用して発汗を抑える治療です。
わき、手のひら、足の裏などの多汗症に用いられます。皮膚への刺激によって赤みやかぶれが生じることがあります。
※多汗症に対する塩化アルミニウム外用療法は、原則として保険適用外です。


内服薬
外用薬で十分な効果が得られない場合や、頭部・顔面など複数の部位に発汗がある場合には、抗コリン薬などの内服治療を検討することがあります。
ただし、口の渇き、便秘、目のかすみなどの副作用や、発汗抑制による熱中症のリスクに注意が必要です。

多汗症は、症状や診断、治療方法によって健康保険が適用されます。
治療方法
保険適用
エクロックゲル(わき汗)
あり
ラピフォートワイプ(わき汗)
あり
アポハイドローション(手汗)
あり
ボトックス注射(重度のわき汗)
あり
塩化アルミニウム外用
原則なし
一部の抗コリン薬内服
あり
※薬剤ごとに適応疾患や使用条件があります。実際の保険適用は診察のうえ判断します。

よくあるご質問
Q. 多汗症は治療すれば完全に治りますか?
多汗症の治療は、発汗を減らし、日常生活への支障を軽減することが主な目的です。塗り薬やボトックス注射の効果は永久的ではなく、症状に応じて継続的な治療が必要になることがあります。
Q. 緊張したときだけ大量に汗をかくのですが、多汗症でしょうか?
緊張によって発汗が増えることはありますが、発汗の程度や日常生活への影響によっては多汗症と診断される場合があります。症状が気になる方はご相談ください。
Q. 子どもでも多汗症の治療はできますか?
多汗症は小児期から発症することもあります。治療薬によって使用できる年齢が異なるため、年齢や症状に応じて治療を検討します。
Q. わき汗のボトックス注射は誰でも保険適用になりますか?
いいえ。保険適用となるのは、一定の診断基準を満たす重度の原発性腋窩多汗症の方です。診察で症状や重症度を確認し、適応を判断します。
Q. 汗の臭いも改善しますか?
多汗症とわきが(腋臭症)は異なる疾患です。発汗量が減ることで臭いが軽減する場合もありますが、ボトックス注射や多汗症の塗り薬は、わきがそのものを治療するものではありません。

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